ユダの有害指定ブログ

あんまり気軽に言えないことや個人的見解を書きます。

【#映画批評】ドラゴンクエスト ユア・ストーリー感想

この文章は、2019年の夏に私がメモ帳に書いてTwitterに分割して掲載したものになります。

なので、Twitterを遡ると発見できるかと思います。

文章自体は特に推敲していないので、当時載せたままです。

文中にはネタバレになる箇所もあるので、それでもよい方はお読みいただければ幸いです。

 

 

○CGでキャラが生き生きしていた

一度『DQ5』をプレイされたことがあるならわかると思うが、ストーリーの要所でキャラクターが必死に生きていた。奴隷時代の始まりや結婚のくだりなど、それぞれの表情がよく描かれていた。若干動きがうるさく、「監督は日本版ディズニーでも作りたいのか…?」と思いながら見ていた。

 

ビアンカは「いい女」、フローラは「いい子」

DQ5』のセリフ以上によく喋っているが、とにかくビアンカがいい女過ぎる。文章だけでは伝えきれない感情をよく表現できていた。一方でフローラもよく喋るが、こちらは「自分はこうしたいけど、こうした方がベスト」っていうスタンスだったからまさにいい子止まり。もう少しこの二人が言葉を交わしてもよかったんじゃなかろうか。

 

○ゲマが絶妙に気持ち悪い

魔物だからということもあるけど、強さ、話し方、動きどれを取っても気持ち悪い。それと同時に明らかにヤバい奴オーラ出してた。自分が最初に『DQ5』をプレイしたときからラスボスより目立ってたと思ってたし、『ドラクエの映画』なら別にミルドラースの存在出さなくても主人公の結婚とゲマとの決戦がしっかり描かれていればそれでいい気もした。ゲマの取り巻きが若干弱かったし、そいつらとビアンカたちと一騎討ちさせて見せ場があったらなお燃えたと思う。

 

○描写は足りないものの、『DRAGON QUEST V 天空の花嫁』のいいところは出ていたと思う

尺が足りないという大きな問題があるものの、『DQ5』のストーリーを知っている人なら、必要なシーンをある程度かいつまんで進んだので、先の展開はある程度予想できていても臨場感のある戦闘シーンとか結婚イベントは楽しめると思う。『DQ5』をプレイしたこともない人も、この作品見たらだいたいのストーリー分かるので、興味を持っていただけたら是非3DS版でいいからプレイしてほしい。3DS版からは三人目の嫁候補が出るけど。最大の山場であるゲマとの決戦まではあんまり悪いところはなく、『天空の花嫁』を90分にまとめようとするとまぁこうなるよね、と言う感じ。

 

●『YOURSTORY』の意味

そもそも、この『YOUR』に当たるのは誰なのかというシンプルな疑問を抱えつつ序盤は眺めていた。親子三代に渡る大河ドラマである『DQ5』だから、主人公のことなのか、それとも勇者のことなのかと期待しつつ見ていた。たぶん、このタイトルの時点でこの映画の方向性はダメだったと思うし、キャストさんがメディアでこの映画について触れないのはここら辺なんだろうと思う。

 

●冒頭のゲーム画面

最初は「いるかこのシーン…?」って思ってたけど、最後まで見たら「『YOURSTORY』なら必要かもしれない」という結論。これに関しては次も含めて読んでほしい。

 

●明らかに不自然なセリフ

一部のキャラクターたちのセリフで明らかな不自然なワードがあったため、「これもしかしてヱヴァンゲリヲン新劇場版みたいな、アニメや昔の映画と合わせて実はタイムリープをしていると考察をさせたいがための描写なのか…?」と思いながら見ていた。上のゲーム画面の話と繋がり、これが最大の問題点と思われる望まないオチに繋がる。

 

ミルドラース

誰だテメェ!!!!!!
上記まで良いことも悪いことも書き連ねて来たけど、こいつでそれらもすべてぶち壊し。
まずDQじゃなくていい。『DRAGON QUEST V 天空の花嫁』というゲームをダシに使った『YOURSTORY』という映画。別に『DRAGON QUEST』じゃなくても『YOURSTORY』なら成立するのになぜこんな形で『DRAGON QUEST』の名前を使ったのか。登場人物は同じでも『天空の花嫁』でもない。クリエイター怒ると思う。感情豊かに生きるキャラクターたちを見せつけられてワクワクしたり感動したりした最後の最後でこの仕打ちは酷い。全部虚構。荒れないはずがない。仮に『DRAGON QUEST』の名前借りてなくてもこの結末は嫌。この結末になることは上記2つが伏線となっていたようだが、だとしてもモヤモヤする。100歩譲ってこの結末に持っていくつもりだったとしても、映画の最初から、もっというと宣伝の時からあらすじ説明して「あのときのみんなに送るこういう映画だよ!」って言って作ればここまで荒れなかったとは思うし、ゲーム原作ファンへの裏切りと取られても仕方ないかと…。音楽もゲームシリーズから、特に天空シリーズの音楽がよく耳に残っており、途中まではCGと声で臨場感溢れる作品と思っていたためただただ残念。

 

☆総評

10点満点で採点するなら2点。
各所で言われている通り最後がとにかくダメ。
DRAGON QUEST』でなくていいの一言に尽きる。
DRAGON QUEST』じゃないにしても最後がダメ。
序盤から終盤まで自分で色々積み上げたものをただひっくり返すだけって、話の作り方としてやっちゃいけないことだと思う。

山崎監督、12月にフルCGで『ルパン三世』を公開する予定と聞いております。仮に『ルパン三世』が成功したら「なぜ今作はそこまで完成度を仕上げなかったのか」って言われたり、ダメだったらダメだったで「やっぱり」と言われそうだし、12月の『ルパン三世』が出た後の今作の評価がまた荒れるのではと予想している。
ジュブナイル』はよかったのに…。